2005年9月8日をもって
当店は閉店いたしました。

6年間のご愛顧、
まことに
ありがとうございました。





中国シルクロードの穴場的見どころや人々のくらしなどについて書いていきたいと思います。のんびりと更新していきたいと思いますのでときどきのぞいてくれると嬉しいです。



Vol.009 シルクロードなんでもベストテン(4) 温泉 前編(1位〜5位)

中国の温泉はレジャーというよりは療養目的といった色合いがまだまだ濃厚です。日本の温泉に行くような気持ちで訪ねますと「なんだこの暗い雰囲気は・・・」ということがありますが、そのぶん手つかずの自然な温泉も多くあり、本物の秘湯気分を味わえることも事実です。じつはシルクロードには温泉が少ないので、番外編となりますが、今回は中国で私(副店長)が入った温泉をご紹介させていただきます。カッコ内は泉質と泉温です。


1位 温泉県温泉【新疆ウイグル自治区温泉県】 (硫黄泉?/42〜46度)
温泉県は、イーニンの北東に位置する博楽市からさらにカザフスタン国境方向に向かったところに位置してます。森林公園みたいなロケーションに建つ温泉共同浴場には大小の浴場がいくつもあります。この温泉のすばらしいところは、浴槽の底が砂地になっていて、そこからフツフツと適温の温泉が湧きだしていることです。私が入ったのは個室風呂で、一畳半ぶんくらいの広さのコンクリートで囲われた浴槽は水深が1メートル以上あり、立ったまま入浴します。底からお湯が湧き出ているので透きとおったとてもきれいな湯で、ほのかに硫黄のかおりがしました。なお温泉県は対外未開放地区ですので旅行証が必要です。



2位 西海神泉【青海省海晏県】(炭酸泉/55度)
草原の温泉。ほんとうに草原の中から唐突にお湯が湧き出ています。チベット遊牧民は日本人と同じく温泉を神仏として祀ります。温泉に入ると(飲むと)なぜか病が治るという敬虔な思いが「神泉」という名の由来でしょう。この温泉は飲むと胃病に効くといわれています。源泉は1キロはなれて2カ所あり、共同浴場で入浴します。ヤクや羊の群のかたわらを温泉の小川が流れてゆくすばらしい情景は忘れられません。写真は実家へのおみやげのため源泉を汲みとるインイン店長と兄貴。



3位 熱海温泉【雲南省騰衝県】(硫黄泉?/94度)
あたみと読まずにラーハイと読んでください。雲南省西部の保山地区は火山地帯として有名で、その代表的温泉が騰衝県郊外の熱海温泉です。樹木豊かで山の中の秘湯といった感じです。沸騰した温泉が山肌のいたるところから噴きだしています。それが崖を流れ落ちて適温になり、巨大温泉プール(?)に注がれています。宿泊施設もきちんとしていて人も親切でした。















4位 貴徳温泉【青海省貴徳県】 硫酸塩泉/93度

西寧から約100キロ南に位置する貴徳県は黄河上流の町。黄河を渡る吊り橋があることでも有名です。町からさらに10キロほど南に行きますと荒涼とした赤土の禿げ山にかこまれた貴徳温泉(正式名:扎倉温泉=ジャーツアン・ウエンチュエン)があります。とにかく悲しくなるくらいの鄙びた雰囲気。湯治客のほとんどがチベット族で、やはり源泉を祠にし、五体投地で礼拝していました。水蒸気がブーブーうなりをあげている源泉地帯は温泉の河原となっており、そこで温泉卵を作ったり野菜を煮たりして自炊します。また地熱が40度以上あり、地べたにすわったり寝ころんだりして患部を温熱治療します。河原に露天風呂もありますが、ふつうは部屋のバスタブで入浴します。



5位 タガルマン温泉【新疆ウイグル自治区タシュクルガン・タジク自治県】(硫酸塩泉?/80度)
中国でもっとも西にある温泉だと思います。タシュクルガンの町のちょっと手前から道を折れて3キロほど行ったどんずまりに小さな療養所があり、周囲はゴビ灘と禿げ山です。源泉の湯壷からはしずしずと高温の温泉が流れ出し、細い水路に分水されて洗濯場や浴室へと流れていきます。ここは温泉をタンクに貯めてシャワーで入浴します。パミール高原を望む海抜3000メートルの秘湯です。





次回は6位から10位と、「行ってみたい中国の温泉ベスト3」を付録につけます。